積層型感光体の電子写真特性に及ぼすキャリア発生層内の空間電荷の影響(II)
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概要
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負帯電積層型感光体の電子写真特性,とくにコロナ受容電位について,キャリア発生層(CGL)中に蓄積する空間電荷の効果を考えて調査した.基板電極と接触するCGLの膜厚などがコロナ受容電位に大きな影響を及ぼした.また,基板電極とCGLの問に下引き層(UCL)を設けることによりコロナ受容電位や感度が複雑に変化することを示した.CGLの膜厚の増加にともなってコロナ受容電位は直線的に低下することがわかった.これらの実験結果から,CGL内の負の空問電荷がつくる基板電極近傍の局所的電界で支配される基板電極からの正孔注入によって,積層型感光体のコロナ受容電位が決まるということが示唆された.この考え方に基づいて,CGL(H<sub<2Pc)中の負の空間電荷密度として,約6×1016 cm-3という値を得た.<BR>積層感光体の静電的ストレスによる疲労(繰り返し使用によるコロナ受容電位や感度の変化)は,CGLに電子輸送能力をもたせることにより改善された.この事実は,CGL中における電子の可動性の向上によって負の空間電荷密度やその分布の変動を抑制したことに基づいて説明できる.
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The Imaging Society of Japan | 論文
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