高分子ゲルインクを用いた電解記録法
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概要
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高分子ゲルを用いた電解記録用のインクを開発した.この高分子ゲルインクは,ポリビニルアルコール(PVA)とホウ砂の架橋構造,顔料としてのカーボンブラツク,そして水から構成された.このゲルインクは,系のpH変化によりゲル→ゾル変化を伴い,酸性側ではその粘度が低下した.<BR>系のpHを変化させるにはいくつかの手段があるが,ゲルインクの組成を変えないように電圧印加を用いた.ゲルインクに電圧を印加すると,電気化学反応が誘起され,陽極側では系のpHが酸性となり,ゲルインクの粘度は,紙に転写可能なほどまで低下した.この現象は直流電圧,パルス電圧の印加の双方で見い出された.<BR>次に,この現象による画像形成方法を簡便に具現化する画像形成装置を作製し,高分子ゲルインクの記録特性について検討した.この画像形成装置では,ゲル構造が保存されているため,ゲルインクを保持,または支持するゲルインク以外の構造体を用いる必要がないという特徴が生かされている.<BR>検討の結果,記録スピード 22 mm/sec.で,解像度 200 dpiの画像が得られた.また,印加電圧が 3-12 Vの範囲で,画像濃度 0.05-1.5 の濃度階調が得られた.
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The Imaging Society of Japan | 論文
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