大気下光電子分析による有機顔料薄膜のイオン化電位
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概要
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電子写真有機感光体の電荷発生材料として広く用いられているフタロシアニン顔料について,大気下光電子分析から,粉末,蒸着膜,樹脂分散膜のような試料形態によるイオン化電位の差異を検討した.その結果,無金属フタロシアニン顔料におけるイオン化電位は,(1)膜厚が薄い蒸着薄膜で観測される 5.00~5.10 eV の低イオン化電位,(2)粉末試料での 5.20 eV,および(3)樹脂分散膜および熱処理蒸着膜における 5.38 eV 程度の値に分類され,材料が実用される試料形態によるイオン化電位の変化をかなり鋭敏に捉えることができた.蒸着膜では膜厚の増加や熱処理による均一処理により観測されるイオン化電位が大きくなり分散膜での値に近づくことが分かった.このようなイオン化電位の変化は試料の表面状態の差異を反映していると考えられ,蒸着薄膜で観測されるような表面状態の乱れから,試料状態によるイオン化電位の変化を議論した.
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