ブロック共重合体を用いた二次元パターン形成と光制御
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概要
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フォトリソグラフィー技術で10~100nmレベルの描画を行うには相当にコスト高のプロセスを要する.一方,ブロック共重合体が自己集合的に形成するミクロ相分離構造はこのサイズに相当し,これらを用いると実験室での簡便な操作で,このレベルの極微サイズのパターンを形成できる.本稿は,ブロック共重合体の単分子膜あるいは数10nmレベルの膜厚の薄膜が形成するミクロ相分離の二次元パターン (メソパターン) の形態と配向制御に着目した筆者らの研究を紹介する.単分子膜系では,低分子物質のアシストにより極めて高秩序なアレイが形成できる.また,ブロック共重合体に光応答性のアゾベンゼン単位を導入すれば,二次元メソパターンの自在かつ可逆的な形態制御ができ,さらに偏光を用いることでそのパターンを自在な方位へ配向させる.こうした,パターンの形態あるいは配向の制御は現段階では未熟であるが,20年前に見出された液晶分子の光配向制御がようやく液晶ディスプレイ製造プロセスに使われ始めている状況に鑑みると,ブロック共重合体のメソパターンの自在な制御法も将来何らかの形で産業面で役に立つときが来るかもしれない.
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The Imaging Society of Japan | 論文
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