ヒト歯髄組織における骨形成タンパク質の発現
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
歯髄は近年、硬組織や神経組織の再生に利用可能な生物資源として注目されるようになってきた。本研究では、ヒト歯髄におけるBMPのmRNAとタンパク質の発現状態を調べた。成人の第三大臼歯から摘出した歯髄の全RNAを用いてRT-PCRをおこなったところBMP-2, -4, -6, -7 mRNAの発現が認められた。加えて硬組織関連遺伝子であるalkaline phosphatase (ALP), osteocalcin (OCN), osteopontin(OPN), dentin sialoprotein (DSP), およびdentin matrix protein 1(DMP1), ImRNAの発現も認められた。一方、歯髄のSDS溶解液に対し抗BMP-2抗体を用いて免疫ブロット解析したところ、分子量50kDaのメインバンドと、32ないし16kDaの位置にマイナーバンドが現れた。そこでFLAG標識したBMP-2の融合タンパク質を発現するプラスミドを構築し、COS-7細胞に発現させた。COS-7細胞のSDS溶解液は、抗FLAG抗体と抗BMP-2抗体を用いた免疫ブロット解析の結果、どちらも62kDaにメインバンドが検出された。これらの結果は、抗BMP-2抗体がヒトBMP-2を特異的に認識すること、そして生理的なヒト歯髄組織において、BMP-2の大部分は分子量50kDaの高分子量前駆体として存在することを示唆している。そこでFLAG標識したBMP-2の融合タンパク質を発現するプラスミドを構築し, COS-7細胞に発現させた。COS-7細胞のSDS溶解液は、抗FLAG抗体と抗BMP-2抗体を用いた免疫ブロット解析の結果、どちらも62kDaにメインバンドが検出された。これらの結果は、抗BMP-2抗体がヒトBMP-2を特異的に認識すること、そして生理的なヒト歯髄組織において、BMP-2の大部分は分子量50kDaの高分子量前駆体として存在することを示唆している。
- 硬組織再生生物学会の論文
硬組織再生生物学会 | 論文
- BMPの臨床応用の問題点と解決
- ブタ顎関節関節円板、後部結合組織、下顎頭線維層におけるプロテオグリカンの比較検討
- 過酸化水素処理による骨芽細胞様細胞株MC3T3-E1のbone nodule形成への影響 : 石灰化物の結晶学的検索
- BMPを付与した電気化学的表面改質Ti及びHA-G-Ti複合材料の骨形成能
- 骨形成蛋白(BMP)の骨膜代用材としての応用 : ヒト大腿筋膜(SolVent Dehydrated Human Fascia Lata)との併用