Classification of gastric cancer patients based on HLA antigen expression using quantification method III
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概要
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HLA抗原によって胃癌の治療に対する反応が予測でき,HLA抗原を測定することにより,癌患者個人個人に適切な治療ができることをすでに発表している.本研究では,HLA抗原治療効果の関係をみるための,HLA抗原に基づく胃癌患者の分類を,数量化III類を使って行った.さらに臨床の場で適用しやすいようにその簡便な分類法を示した.数量化III類は林の開発した多次元解析の一つであり,調査対象(患者)の調査項目(HLA抗原)への反応パターンから項目の分類,対象の分類を同時に行うという考え方に基づく方法である.まず,626人のデータから分析し,後に741人のデータについて分析し,その安定性を確認した.HLA抗原は1%以上の頻度のあるものを取り上げ,次の42抗原についての分析となった.数量化分析の結果得られた42抗原の付置から,四つのクラスターができることがわかった.bクラスターはA3,A33,B12,B13,DR6:cクラスターはBw46,Bw54,Bw55,Bw56,Bw59,Cw1,DR4,DQw4,Bw54,Bw55,Bw56:dクラスターは,B7,B15,Cw7,DR1で,残りがaクラスターである.これに対応して得られる患者の付置から患者を四つの型(I型,II型,III型,IV型)に分けることができる.この患者の型はもっているHLA抗原をパターンでみた特徴としてとらえた分類である.ここで,この特徴を簡便にとらえるために,別の分類を考えた.T(b)はクラスターbのHLA抗原を二つ以上もつ患者でそれ以外がN(b),T(c)はクラスターcのHLA抗原を三つ以上もつ患者でそれ以外がN(c),T(d)はクラスターdのHLA抗原を二つ以上もつ患者でそれ以外がN(d),とした.これらの三つの分類は重複しているので改めてつぎのように四つの型を作成した.すなわち,(T(b)&N(c)&N(d))or(T(b)&T(c)&N(d))ならばI'型,(N(b)&T(c)&N(d))or(N(b)&T(c)&T(d))ならばII'型,(N(b)&N(c)&T(d))or(T(b)&N(c))&T(d))ならばIII'型,そしてこれ以外のすべてをIV'型とした.I∼IVの型分類とI'∼IV'の型分類との相関は非常に高いことが示された.741例のデータに関しても同様の分析を行った結果,42抗原の付置に多少の違いはあるが,クラスターとして安定していることが示された.2種類の群分けの相関関係も同様に安定していた.このことから,データが新しくなるごとに数量化III類の分析を行わなくても,決まったクラスターに属するHLA抗原の数を数えていけば作成できる後述のI'∼IV'の群分けは,今後臨床データで治療効果とHLA抗原の関係をみていくうえで有用である.
- 日本癌病態治療研究会の論文
日本癌病態治療研究会 | 論文
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