慢性血栓塞栓性肺高血圧症における超低体温間歇的循環停止法の成績
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概要
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慢性血栓塞栓性肺高血圧症(chronic thromboembolic pulmonary hypertension:CTEPH)は右心不全や呼吸不全を来す重篤な疾患である。内科的治療は予防的治療にしかならず、根治療法には外科的治療が必要である。当院では超低体温間歇的循環停止(deep hypothermic intermittent circulatory arrest:DHCA)下に肺動脈血栓内膜摘除術(pulmonary endarterectomy:PEA)を施行している。今回はCTEPHと診断され、DHCA下にPEAを行った112例を対象とし、術前後のNYHA分類、平均肺動脈圧(mPAP)、肺血管抵抗(PVR)、動脈血酸素分圧(PaO2)、脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)の比較と、体外循環時間、心停止時間、循環停止時間、合併症、術後経皮的心肺補助(percutaneous cardio pulmonary support:PCPS)・大動脈内バルーンパンピング(intra aortic balloon pumping:IABP)、挿管日数、集中治療室(ICU)滞在日数、転帰について検討した。結果、術前後のデータは有意に改善され、重篤な脳障害を認めず安全にDHCA下でのPEAが施行できた。また、CTEPHは重症呼吸・心不全症例のためPCPS導入の可能性は高く、速やかな導入に対応できる準備をしておく必要がある。
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The Japanese Society of Extra-Corporeal Technology in Medicine | 論文
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