開放回路と閉鎖回路における貯血レベル制御法の比較検討
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概要
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我々は人工心肺の貯血レベルを安定化させるために、開放回路による貯血レベルの制御(open circuit level control:OLC)と閉鎖回路による貯血レベルの自動制御(closed circuit level control:CLC)を考案してきた。今回、双方の特性を測定し、操作性も含め比較検討したので報告する。OLCは貯血量を静水圧で測定し、この値によって自作した装置で送血ポンプを制御する。CLCは市販のレベルセンサーと制御装置を用いた。模擬回路で臨床における体外循環の開始・ボリューム調整・脱血不良・離脱などを模擬した11項目において、貯血レベル・送血流量・脱血流量を測定し、貯血レベルの安定性、送血流量と脱血流量の相関関係を測定した。その結果、OLCでは貯血レベルはOLCコントローラーの設定値の中で安定し、安定する貯血レベルの設定を変更すると送血流量が変化した。一方、CLCでは貯血レベルは貯血槽に取り付けたレベルセンサーの位置で安定し、レベルセンサーの位置を変更すると脱血流量が変化した。今回の模擬実験ではOLC・CLCともに良好な制御が可能であった。
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The Japanese Society of Extra-Corporeal Technology in Medicine | 論文
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