アルカレミア環境下の赤血球凝集に関する研究

概要

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　体外循環中のアルカレミア環境下では、いが状赤血球による赤血球凝集（凝集）により人工肺前後の圧較差（圧損）および静脈リザーバフィルタ内外の液面差（ホールドアップ値：HU）が増大するといわれている。そこで凝集とpHの関係について、牛血を使用した4条件下でpHを上昇させ、圧損とHUの時間変動を測定した。その結果、O2吹送でpHが上昇しても、NaHCO3（メイロンⓇ）添加がなければ凝集を認めず、メイロンⓇ添加によるpH上昇ではメイロンⓇ添加量が多いほど、凝集の程度は大きかった。また、CO2吹送でpH上昇を抑制すると、メイロンⓇ添加量が多くても凝集を認めず、CO2吹送を停止にすると、pH上昇に伴う凝集を認めた。次に、凝集を解除するためにCO2吹送と限外濾過法（extracorporeal ultrafiltration method：ECUM）の2方法によりpHの低下を試みた。その結果、CO2吹送開始後、pHは低下し凝集は速やかに解除され、問題なく循環を維持したが、ECUMでは凝集解除が不十分であった。<BR>　凝集はpHのアルカリ化とメイロンⓇに含まれるNaHCO3の相乗効果によるものであり、凝集解除法としてCO2吹送が有用であると結論した。
The Japanese Society of Extra-Corporeal Technology in Medicineの論文
2012-06-01