新規なアルコキシシラン構造を末端にもつポリウレタンの合成と三フッ化ホウ素-モノエチルアミン錯体を触媒とする硬化反応
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概要
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イソシアナート末端ポリウレタンと2級アミノ基を有するアルコキシシラン化合物 (シリル化剤) から, 新規なアルコキシシラン末端ポリウレタン (シリル化ポリウレタン) を合成した。シリル化剤は, 3-アミノプロピルトリアルコキシシランとアクリル酸エステルとの共役付加反応で合成した。得られたシリル化ポリウレタンの粘度は, アクリル酸エステルと反応させていない3-アミノプロピルトリアルコキシシランから誘導したシリル化ポリウレタンに対して低くなった。得られたシリル化ポリウレタンの硬化速度及び接着強さを比較したところ, シリル化剤のエステル部位のアルキル基が短いほど, 硬化が速いことが分かった。また, 引張せん断接着強さ及び接着性がシリル化率の影響を受け, シリル化率60%以上の条件では, シリル化率が低いほど接着性が高くなる傾向にあった。さらに, シリル化ポリウレタンの硬化触媒として, 三フッ化ホウ素-モノエチルアミン錯体 (BF<SUB>3</SUB>-MEA) とジブチルスズジメトキシド (DBTDM) の性能比較を行った。その結果, DBTDMに比較して, BF<SUB>3</SUB>-MEAは触媒活性が高いこと及びシリル化ポリウレタン硬化物の熱安定性を低下させないことが分かった。以上のことから, シリル化ポリウレタンは湿気硬化型接着剤のベースポリマーとして, またBF<SUB>3</SUB>-MEAはシリル化ポリウレタンの効果的な硬化触媒として利用できることが分かった。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文
著者
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遠藤 剛
近畿大学分子工学研究所
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野村 幸弘
コニシ株式会社浦和研究所
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佐藤 慎一
コニシ株式会社浦和研究所
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森 秀晴
山形大学工学部機能高分子工学科
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森 秀晴
山形大学工学部
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野村 幸弘
コニシ株式会社
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佐藤 慎一
コニシ株式会社
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