リグノフェノールを用いたフォトレジスト材料
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
「植物系分子素材の高度循環活用システムの構築」に関する研究の一環として, 天然リグニンから相分離システムにより誘導されるリグノフェノールのフォトレジスト材料への展開について検討した。リグノフェノールの特徴は (1) 直鎖型高分子化合物であり, 溶剤可溶であること, (2) フェノール性水酸基とアルコール性水酸基を有すること, (3) アルカリで開裂するユニットをもつことである。これは, フォトレジストに要求される性能, すなわち適度なアルカリ溶解性と, 耐熱性および耐溶剤性を満たすと考えられるので, 印刷用フォトレジスト材料の最も一般的なものの1つである, ジアゾナフトキノン (DNQと略) /ノボラック系へ, ノボラック樹脂の代替材料としてリグノフェノールを用いることを試みた。その結果, 低分子量化合物の3核体ノボラックを少量添加することにより, 市販のフォトレジストに匹敵する感光性能を得られることがわかった。さらに, 印刷用以外の用途としてプリント配線用フォトレジストへの展開を試みたところ, 3核体ノボラックを少量添加することにより, 耐エッチング性に優れたフォトレジストが得られ, 30μm幅のライン/スペースまで再現可能であることが分かった。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文
著者
-
舩岡 正光
三重大学生物資源学部
-
長谷川 喜一
大阪市立工業研究所
-
門多 丈治
大阪市立工業研究所
-
内田 年昭
光陽化学工業株式会社 開発部
-
北嶋 幸一郎
光陽化学工業
-
内田 年昭
光陽化学工業株式会社
関連論文
- エポキシ化リグノフェノールによる常温硬化エポキシ樹脂の高性能化
- リグノフェノール由来エポキシ樹脂の硬化物分解性
- リグノフェノールを原料とする親規エポキン樹脂系接着剤
- 植物資源由来リグノフェノールを原料とする新規エポキシ樹脂
- リグノセルロースー持続的資源としての新しい展開
- リグノフェノールを硬化剤に用いたポリウレタン系接着剤
- 植物資源由来リグノフェノールを用いた接着剤
- リグノフェノールの木材用接着剤への応用
- 3-10.バイオマスからの電磁波シールド用結晶性炭素の製造((3)炭化・発酵等,Session 3 バイオマス等)
- リグノフェノールを用いたフォトレジスト材料