ジフェニルスルホニウム塩類を熱潜在性硬化剤とするエポキシ樹脂の熱硬化挙動
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概要
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新しいタイプの熱潜在性カチオン開始剤としてのS-アルキルジフェニルスルポニウム塩類の応用を目的にビスフェノールA型エポキシ樹脂(Ep)の熱硬化挙動を検討した。これらの開始剤はEpに均一に溶解し、加熱により熱硬化反応を起こすことがわかった。また、種々のS-アルキル基を持つ塩類の活性評価から反応活性の発現温度は生成するカルボカチオンの安定性に対応して、二級 (i-プロピル)<一級(n-オクチル)≒メチルの順となり、アルキル基の性質によって活性を制御できることが分かった。さらに芳香環上の置換基効果を検討したところ、電子吸引性基(プロモ基)は触媒の活性を増大させるのに対し、電子供与性基(メチル基)は活性を低下させることが分かった。また、ab initio分子軌道計算によるスルフィドの電子密度と重合反応開始温度との関係を検討した結果良い相関を示し、S原子の電子密度が増大するにつれて重合開始温度は上昇する傾向が観察された。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文
著者
-
遠藤 剛
東京工業大学資源化学研究所
-
下村 修
東京工業大学大学院理工学研究科応用化学専攻
-
冨田 育義
東京工業大学大学院 総合理工学研究科
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下村 修
東京工業大学資源化学研究所
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遠藤 剛
東京工業大学 資源化学研究所
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