2, 6-ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステルを用いたエポキシ樹脂の硬化と硬化物の物性
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概要
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2, 6-ナフタレンジカルボン酸を塩化チオニルで酸クロリドとし, これにグリシドールを反応させることにより, 2, 6-ナフタレンジカルボン酸ジグリシジルエステル (DE) を高収率で合成した。このエポキシ樹脂を種々の硬化剤, 硬化条件で硬化させ, 最適な硬化条件を検討した。その結果, 硬化物の耐熱性, 力学強度の点からジアミノジフェニルメタン (DDM), トリメリット酸無水物 (TMA) を硬化剤とした場合に優れた物性を示すことがわかった。また, 同様の方法でテレフタル酸から合成したテレフタル酸ジグリシジルエステル (TE) 及び, 市販のビスフェノールAタイプのエポキシ樹脂であるエピコート828 (DGEBA) をDEと同じ条件で硬化させて得られた硬化物の諸物性と比較することにより, ナフタレン骨格の樹脂構造への導入の効果を評価した。ガラス転移温度 (Tg) はDDMを硬化剤とした場合200℃とTE, DGEBAに比べ約20℃高く, TMAを硬化剤とした場合214℃と約10℃高い硬化物が得られた。曲げ強度, 曲げ弾性率はDGEBAに比べ高く, 吸水率は低下した。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文
著者
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遠藤 剛
東京工業大学資源化学研究所
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高田 十志和
東京工業大学大学院理工学研究科
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西山 宏治
ゼネラル石油 (株) 中央研究所
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高田 十志和
東京工業大学 大学院理工学研究科, 有機・高分子物質
-
高田 十志和
東京工業大学 資源化学研究所
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