エポキシ樹脂の硬化に関する研究 (第11報):ポリメルカプタンによるエポキシ樹脂の硬化およびその硬化物の構造と物性
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概要
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エポキシ樹脂/ポリメルカプタン (主としてポリオールのチオグルコン酸エステル) /触媒系について, 硬化に及ぼす諸因子の影響について検討した。<BR>硬化温度 (0°~20℃) は高いほど硬化速度が大きく, 影響も大きい。触媒 (第三アミン) の量も多いほど硬化は速い。硬化剤量は少ないほど硬化速度が大きかった。触媒は第三アミンだけでなく第三ホスフィンでも円滑に硬化することを見出した。しかし, 脂肪族金属塩では硬化しなかった。用いたポリメルカプタンの種類の硬化速度への影響は少なく, いづれも室温で数分から十数分で硬化する速硬性であることが認められた。<BR>これらの系の硬化物の動的粘弾性の測定からガラス転移温度 (Tg) と橋架け密度 (ρ (E′)) が得られた。硬化剤配合量とρ (E′) の関係では, SH基とエポキシ基が化学当量のときρ (E′) は最大となり, これらが1 : 1mol反応することが認められた。しかし, Tgは, SH基配合量が化学当量より少ないほど高かった。<BR>ポリメタルカプタンの構造と物性の関係では, 官能基数の多いものほどTgは高く, そのTgは50~100℃であった。しかし, ρ (E′) はほぼ同じ程度であり, 非常に小さな値であった。<BR>機械的性質と接着力はほぼ一般のエポキシ硬化物と同じであった。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文
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