Bacillus cereusによる多発出血性脳梗塞に早期治療が奏功した同種移植施行急性骨髄性白血病
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概要
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症例は58歳男性。寛解導入不能の急性骨髄性白血病(FAB 分類:M7)に対し,強度減弱前処置を用い同種末梢血幹細胞移植を施行。移植後day 6 に発熱性好中球減少症を合併しドリペネムを投与開始。血液培養よりグラム陽性桿菌が検出され,Bacillus cereus(B. cereus)が疑われたため,バンコマイシンを追加した。Day 8 より,意識レベル低下,左片麻痺が出現,頭部MRI にて髄膜炎像,多発性出血性梗塞,硬膜下出血を認め,B. cereusが同定されたため,同菌による炎症波及と菌塊による出血性梗塞が原因と考えられた。感受性結果等を考慮してレボフロキサシン,イミペネム/ シラスタチンに変更し,麻痺は残存したが救命し得た。好中球減少期のB. cereus 敗血症は極めて急激な経過を辿るため,グラム陽性桿菌が血液培養で検出された場合は,本菌に感受性のある抗菌薬を速やかに開始する必要がある。
- The Japan Society for Hematopoietic Stem Cell Transplantationの論文
著者
-
松島 孝充
九州大学大学院医学研究院 病態制御内科学
-
白土 基明
九州大学大学院医学研究院 病態制御内科学
-
中嶋 康博
九州大学大学院医学研究院 病態制御内科学講座
-
髙栁 涼一
九州大学大学院医学系研究院 病態制御内科学
-
中嶋 恵理子
麻生飯塚病院 血液内科
-
油布 祐二
麻生飯塚病院 血液内科
-
藤岡 絵里子
九州大学大学院医学系研究院 病態制御内科学
-
白土 基明
九州大学大学院医学系研究院 病態制御内科学
-
中嶋 康博
九州大学大学院医学系研究院 病態制御内科学
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