シスプラチン投与口腔癌患者に対する新規NK1受容体拮抗薬ホスアプレピタント(プロイメンド®)の有効性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
【目的】がん化学療法の代表的な副作用である悪心・嘔吐に対する制吐療法は,治療継続や完遂,患者のQOL向上の観点から極めて重要である。本研究では,シスプラチン投与口腔癌患者に対する新規ホスアプレピタント(プロイメンド®)の制吐効果を,従来のアプレピタント(イメンド®)と比較検討した。【対象および方法】当センターにおいて2010年4月から2012年12月までにシスプラチン(60mg/m2以上)を含む化学療法を施行した進行口腔扁平上皮癌患者15例を対象とした。治療開始後の消化器症状の評価は,「有害事象共通用語規準v4.0日本語訳JCOG版」ならびに「プロイメンド特定使用成績調査」プロトコールに従い分類し,急性期・遅発期における悪心・嘔吐の有無について2群間の比較検討をした。【結果】急性期の嘔吐なしがホスアプレピタント群100%,アプレピタント群80%で,悪心なしがホスアプレピタント群100%,アプレピタント群40%で,急性期の悪心において有意差(p=0.022)が認められた。遅発期の嘔吐なしが,ホスアプレピタント群90%,アプレピタント群100%で,悪心なしがホスアプレピタント群50%,アプレピタント群0%であった。【結論】アプレピタントでは制御できなかったシスプラチンにより惹起される悪心・嘔吐はホスアプレピタントを用いることでその発現率が低下したことから,ホスアプレピタントの有用性が示唆された。
- 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会の論文
著者
-
山本 信治
東京歯科大学口腔外科学講座
-
柴原 孝彦
東京歯科大
-
野口 沙希
東京歯科大学オーラルメディシン・口腔外科学講座
-
片倉 朗
東京歯科大学 口腔健康臨床科学講座口腔外科学分野
-
佐藤 一道
東京歯科大学 オーラルメディシン・口腔外科学講座
-
山内 智博
東京歯科大学 口腔外科学講座
-
片倉 朗
東京歯科大学口腔がんセンター
-
逢坂 竜太
東京歯科大学口腔がんセンター
-
鈴木 大貴
東京歯科大学口腔がんセンター
-
髙野 伸夫
東京歯科大学口腔がんセンター
-
山本 信治
東京歯科大学口腔がんセンター
-
野口 沙希
東京歯科大学口腔がんセンター
関連論文
- ボーングラフトはゴールドスタンダード : 簡単に行える骨移植の実際
- 印旛郡市歯科医師会佐倉地区と東京歯科大学千葉病院の11年間の歩み : 口腔がん検診の現状と将来展望
- 拡大内視鏡による新たな口腔癌診断法
- 習志野市歯科医師会と行っている口腔癌検診 : 10年間の検討
- 東京歯科大学千葉病院口腔外科における平成18年度初診患者の臨床統計
- 早期舌癌に対するヨード生体染色の有用性について
- 上顎歯肉癌と下顎歯肉癌における顎骨浸潤様式と予後に関する臨床病理学的研究
- 口腔白板症に対する緑茶カテキンの治療効果に関する臨床的検討
- 口腔癌の危険因子 : 飲酒と喫煙について
- 舌癌患者のTS-1誘発口内炎に対するメシル酸カモスタット含有含嗽剤による治療経験の1例