睡眠時間は生活習慣とどのように関係しているのか? -健診時アンケート調査より解析-
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概要
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目的と方法:睡眠時間が生活習慣病に及ぼす影響について,健診受診者623名を対象に,生活習慣,周囲からの支援,自己効力,医療者関与に関する200問からなる生活習慣アンケートおよび健診データから解析した.結果:睡眠時間と有意相関したのは38問で,これを因子分析し8因子が抽出された.周囲からの支援,食行動,運動,食事内容,自己効力,自己評価,体重増加が抽出されたが医療者関与に関わる変数からは抽出されなかった.健診検査項目では体脂肪率,糖負荷後2時間血糖値,HbA1cが有意な負相関を示した.睡眠時間と相関した38問と3検査項目を41変数として共変量に,睡眠時間を従属変数とした順序ロジスティック回帰分析を実施したところ,有意変数となったのは7変数(p=0.00~0.047)であった.短時間睡眠者では9時以降の夕食頻度が高く,朝食を食べることが少なく,間食することが多く,飲酒頻度は低いという食習慣を持ち,規則正しい生活を送ることができず,手助けしてくれる人が少ないという特徴があった.そしてHbA1cが高い傾向を認めた.HbA1c≧6.2%で睡眠6時間未満の,6時間以上に対するオッズ比は2.046であった.結論:回帰分析にて睡眠時間を予測する説明変数の1つにHbA1cが含まれたことは,睡眠時間と糖代謝が関連することを示している.そして短時間睡眠者は特徴ある生活習慣を示した.
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