健診時に見出される甲状腺中毒症の特徴
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概要
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目的:健診受診時に見られたわずかな症状・所見から診断に至る甲状腺中毒症の特徴について検討した.方法・結果:症例は,1日ドックないし学校検診で発見された甲状腺中毒症4例である.いずれも本人は異常を自覚していない.診断のきっかけは甲状腺腫2例,血清ALP増加と頻脈1例,低コレステロール血症1例であった.診断名は無痛性甲状腺炎3例,プランマー病1例である.無痛性甲状腺炎の3例は無治療・経過観察にて甲状腺機能は正常化したが,経過中に亢進,正常,低下を繰り返した.無痛性甲状腺炎は慢性甲状腺炎の進展経過中に生じた一過性の破壊性変化であると考えられている.繰り返すことも多く,症状は軽微なことが多い.したがって健診時検査異常や甲状腺腫などからたまたま破壊性変化に気づかれる機会はあると考えられる.プランマー病はホルモン産生腫瘤による機能亢進症であるが,本例は触診では腫瘤は明らかでなかった.抗甲状腺剤治療によるホルモン改善悪く,TSHレセプター抗体陰性のために施行されたシンチグラムで診断された.稀な疾患であるがホルモン増加が軽微であったために自覚症状なく健診検査異常から見出された.結論:健診時に気づかれる甲状腺中毒症は症状が軽く,甲状腺腫や臨床検査値のわずかな異常から診断に至ることが多い.無痛性甲状腺炎の頻度が高い.
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