内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
近年,内視鏡診療における鎮静の需要が増加傾向にあるが,内視鏡時の鎮静に対する保険適用の承認を取得している薬剤はなく,主にベンゾジアゼピン系の薬剤が適応外で使用されている現状であり,安全な鎮静を支援する体制作りが求められているところである.この度,日本消化器内視鏡学会は日本麻酔科学会の協力の下"内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン"を作成した.本ガイドラインは鎮静が必要な状況下で適切な使用法を推奨したものであり,クリニカルクエスチョン11項目に対してステートメントは14項目あり,そのうちエビデンスレベルIが5項目で,エビデンスレベルIIが3項目あったが,ほとんどが国外のデータに準拠したものであり,推奨度は定まっていない.また,本ガイドラインは,内視鏡診療時の鎮静を強く勧めるものではなく,消化器内視鏡診療上,鎮静が必要と考えられる局面においてはどのような鎮静の方法が良いかの指針を示したものである.実際の診療において鎮静を実施するかの最終決定は,必要性に関する十分なインフォームド・コンセントの下,患者の意思を尊重して行うことが前提であり,医師側の誘導に基づくものであってはならない.
著者
-
小原 勝敏
日本消化器内視鏡学会卒後教育委員会
-
松井 敏幸
日本消化器内視鏡学会卒後教育委員会
-
上西 紀夫
日本消化器内視鏡学会
-
杉山 政則
日本消化器結石診療研究会
-
吉田 雅博
日本消化器内視鏡学会
-
田辺 聡
日本消化器内視鏡学会
-
尾崎 眞
日本麻酔科学会
-
一瀬 雅夫
日本消化器内視鏡学会
-
入澤 篤志
日本消化器内視鏡学会
-
春間 賢
日本消化器内視鏡学会
-
貝瀬 満
日本消化器内視鏡学会
-
後藤田 卓志
日本消化器内視鏡学会
-
堀内 朗
日本消化器内視鏡学会
-
藤田 直孝
日本消化器内視鏡学会
-
杉山 政則
日本消化器内視鏡学会
-
松井 敏幸
日本消化器内視鏡学会
-
小原 勝敏
日本消化器内視鏡学会
関連論文
- 消化器内視鏡関連の偶発症に関する第5回全国調査報告─2003年より2007年までの5年間─
- 保険金支払い案件からみた胆嚢摘出術に関連した偶発症の実態 : 腹腔鏡的胆嚢摘出術と開腹による胆嚢摘出術との比較
- 消化器内視鏡教育法
- PD-5-2 膵石症治療のアルゴリズム : 全国多施設調査の解析より(パネルディスカッション5 慢性膵炎治療の長期成績-保存的治療vs外科的治療-,第64回日本消化器外科学会総会)
- 大腸内視鏡検査の偶発症防止のための指針
- 消化器内視鏡関連の偶発症に関する第5回全国調査報告 : 2003年より2007年までの5年間
- 東北支部の歴史と活動
- 米国消化器内視鏡学会の将来展望 : その運営方式と内視鏡トレーニングシステム
- 抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン
- 内視鏡診療における鎮静に関するガイドライン
- 学会の法人化と今後の課題と展望