貧血を契機に発見され肝硬変に至っていた小児自己免疫性肝炎の1例
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概要
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症例は15歳男児.高校入学時の検診で貧血を指摘され,近医を受診.血液検査にて肝機能障害を認め,CT検査では肝脾腫,少量腹水を認めた.抗核抗体・抗平滑筋抗体陽性,IgG高値であり前医で自己免疫性肝炎(autoimmune hepatitis:AIH)を強く疑われたため,プレドニゾロン(prednisolone:PSL)20 mg/日による治療を開始され,更なる精査目的に当科紹介.エコー下肝生検を施行し,新犬山分類F4A3の肝硬変像とAIHに一致する病理所見を得た.PSL開始後の肝機能の改善が不充分であり,PSL40 mg/日への増量やアザチオプリンの併用も試みたが効果不十分であった.さらにメチルプレドニゾロンパルス療法を追加したところ肝機能は改善した.本症例は腹部症状や黄疸はなく貧血を契機にAIHと診断された症例であり,診断時には肝硬変に至っていた貴重な症例と考える.
著者
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山本 和秀
岡山大学医学部消化器・肝臓内科
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能祖 一裕
岡山大学医学部第一内科学教室
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白羽 英則
岡山大学医学部第一内科
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高木 章乃夫
岡山大学医学部第一内科学教室
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白羽 英則
岡山大学医歯薬学総合研究科,消化器・肝臓内科学
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室 信一郎
岡山大学医歯薬学総合研究科,消化器・肝臓内科学
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安中 哲也
岡山大学医歯薬学総合研究科,消化器・肝臓内科学
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森元 裕貴
岡山大学医歯薬学総合研究科,消化器・肝臓内科学
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池田 房雄
岡山大学医歯薬学総合研究科,消化器・肝臓内科学
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高木 章乃夫
岡山大学医歯薬学総合研究科,消化器・肝臓内科学
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山本 和秀
岡山大学医歯薬学総合研究科,消化器・肝臓内科学
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