回分式撹拌槽を用いた乳化液膜による分解灯油からの芳香族分離
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概要
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原料として分解灯油を,膜液としてポリオキシエチレンソルビタンモノオレアート(Tween80)水溶液を,溶媒としてヘキサンを使用した。邪魔板付き撹拌槽を透過装置として使用した。芳香族成分は乳化液膜を選択的に透過し,その収率は直鎖炭化水素に比較して非常に大きかった。芳香族成分の物質移動に関して膜破壊の影響は小さく,物質移動に対して乳化液膜透過が支配的であった。全芳香族の総括透過容量係数は直鎖炭化水素に対して10倍以上大きかった。撹拌速度および膜液中の界面活性剤濃度は総括透過容量係数に影響した。撹拌速度は抽出相中におけるエマルションの分散に影響し,撹拌速度の増加とともに比表面積が増加した。膜液中における界面活性剤の質量分率を適切に調整することにより総括透過係数を増大させることが可能であった。全直鎖炭化水素に対する全芳香族の分離の選択率は10以上となり,既往の研究結果であるスルホラン溶媒を用いた回分液液平衡抽出と同等であった。
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