溶媒抽出によるコールタール留分の分離─第2の抽出による抽出物/溶媒成分の分離─
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概要
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コールタール留分であるタール軽油と吸収油の分離,また第2の油性溶媒による溶媒回収に溶媒抽出を適用した。この抽出プロセスで起こりうる様々な油相とメタノール水溶液相の系に関する液液平衡を測定した。測定した平衡関係に基づいて,一つの水溶性溶媒を用いて吸収油とタール軽油を同時に分離するプロセスを提案した。このプロセスでは,両原料は互いの分離における第2の油性溶媒でもある。メタノール水溶液を溶媒とした両原料の分離では,吸収油とタール軽油中に含まれる含窒素複素環式化合物は同素環式炭化水素や含酸素複素環式化合物などの他の化合物よりも優先的に抽出された。吸収油の分離における溶媒回収では,第2の油性溶媒としてタール軽油を用いて水溶性の抽出相を水溶性溶媒と抽出物に分離した。タール軽油の分離においては第2の油性溶媒として吸収油を用いた。成分の分配係数は系のコールタール留分の種類,また水溶液中に含まれる抽出物によって影響されなかった。すべての系において成分の分配係数は大きく三つのグループに分類して,単環の含窒素化合物,二環の含窒素化合物と炭化水素や含酸素化合物などの他の化合物という順であった。吸収油とタール軽油のそれぞれの分離プロセスを一つの水溶性溶媒による両コールタール留分の同時分離プロセスに統合することによって,それぞれの分離プロセスに必要な抽出装置と溶媒のいくつかが除去できる。
- 社団法人石油学会の論文
著者
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江頭 竜一
東京工業大学大学院理工学研究科国際開発工学専攻
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江頭 竜一
東京工業大学大学院理工学研究科
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斎藤 潤
東京工業大学大学院理工学研究科国際開発工学専攻
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SALIM Chris
東京工業大学大学院理工学研究科国際開発工学専攻
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