P8-09 関節リウマチ患者における感染症リスク因子の検討
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概要
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【背景・目的】近年,関節リウマチ(RA)の治療は生物製剤を中心として治療選択肢が拡がり,強力に疾患活動性を制御できるようになったが,その最も重要な副作用は感染症であり,これを予測・予防することがRAの臨床において肝要である. 【方法】当院通院中のRA患者のうち,2009年4月から2012年3月までの3年間に感染症で入院した症例(感染例)の臨床データをretrospectiveに集計し,感染症の種類,患者背景,治療薬などの関連を検討,感染入院のリスク因子を抽出した. 【結果】3年間で全5442人年の通院RA患者中,186件の感染入院があり年度毎に増加傾向であった.年齢は感染例が非感染例より有意に高く(中央値70.5 vs 65歳),高齢者(70歳以上)の割合が高く,男性が多かった.感染部位は呼吸器系が約50%(重複あり)と最多で,以下腎尿路系(11.3%),皮膚関節軟部組織系(8.6%),消化器系(8.1%),帯状疱疹(7.5%).治療薬の使用率は感染例で非感染例よりステロイド剤,生物製剤が高く,メトトレキサートは低かった.多変量解析により抽出された感染入院の有意なリスク因子は男性,高齢,ステロイド剤,生物製剤であり,メトトレキサートは負のリスク因子であった. 【結語】上記感染リスク因子を踏まえて治療を選択し,リスク因子のある症例については特に注意すべきである.
- 日本臨床免疫学会の論文
著者
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橋本 篤
独立行政法人国立病院機構相模原病院 リウマチ科
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當間 重人
独立行政法人国立病院機構相模原病院
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松井 利浩
独立行政法人国立病院機構相模原病院
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川上 美里
独立行政法人国立病院機構相模原病院
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橋本 篤
独立行政法人国立病院機構相模原病院
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