P3-07 メチル化酵素阻害薬投与によるMRL/lprマウスの病態の改善と制御性T細胞の増加
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概要
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CD4陽性Tリンパ球のメチル化の低下は,全身性エリテマトーデス(SLE)の重要な病態の一つと考えられている.しかし,急性骨髄性白血病や骨髄形成症候群の患者でメチル化酵素阻害薬azacitidine投与により制御性T細胞(regulatory T cell ; Treg)が増加することが報告されており,さらにTregの抑制機能維持のためにTreg-specific-demthylated regionの脱メチル化が重要であることが報告されている.我々は,ループスモデルマウスであるMRL/lprマウスにazacitidineを投与し解析した.MRL/lprマウスは,azacitidine投与により,唾液腺腫脹の改善,尿蛋白減少,脾腫,リンパ節腫脹の軽減など自己免疫病態の改善を認めた.胸腺,脾臓,リンパ節にて,Foxp3陽性細胞の増加を認めた.さらに,B,T細胞のメモリー細胞の減少,plasma cell,plasmablastの減少を認めた.一方,azacitidine投与によりMRL/+マウスが自己免疫病態を発症することはなかった.azacitidine投与で増加したTregによりこれら自己免疫病態が制御されたか,その機序とSLEなど自己免疫疾患におけるTregの意義についてさらに研究を進めている.
- 日本臨床免疫学会の論文
著者
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中西 貴士
防衛医科大学校第一内科
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木村 文彦
防衛医科大学校 内科学講座
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高橋 令子
防衛医科大学校 膠原病・アレルギー内科
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堀越 英之
防衛医科大学校 膠原病・アレルギー内科
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伊藤 健司
防衛医科大学校 膠原病・アレルギー内科
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中西 貴士
防衛医科大学校 膠原病・アレルギー内科
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木村 文彦
防衛医科大学校 血液内科
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