P3-03 TofacitinibはMyeloid-derived suppressor cellを誘導し,マウス関節炎を抑制する
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概要
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【目的】TofacitinibはJAK3阻害薬で関節リウマチ治療薬として期待されている.またMyeloid-derived suppressor cell (MDSC)はT細胞抑制能を有するheterogenousな細胞集団である.本研究は関節炎モデルマウスにおいてtofacitinibのMDSC (Gr-1+CD11b+)に対する作用を検証することを目的とした.【方法】SKGマウスにザイモサンAを第0日に投与し,関節炎を誘導した.第14日から第42日にかけてtofacitinibを浸透圧ポンプを用いて持続皮下投与を行い,第42日に骨髄と脾臓におけるMDSCの比率を検討した.またin vitroでマウスの骨髄細胞をGM-CSFで5日間刺激して分化させる際に,tofacitinibを添加し,MDSC及び樹状細胞の増減や,T細胞抑制能の変化について検討した.【結果】関節炎マウスの骨髄ではMDSCならびにpolymorphonuclear MDSC (CD11b+Ly6G+Ly6Clow)が上昇したが,monocytic MDSC (CD11b+Ly6G−Ly6Chigh)は変化しなかった.また,tofacitinibは関節炎を有意に抑制し,tofacitinib投与群ではコントロールと比較して骨髄のMDSCとpolymorphonuclear MDSCが増加していた.in vitroで骨髄細胞をGM-CSFでMDSCに分化させる際にtofacitinibを加えると,コントロールに比してMDSCは増加し樹状細胞は減少した.さらに,GM-CSFで分化時にtofacitinibを加えた骨髄細胞は,コントロールに比し高いT細胞抑制能を示した.【結論】TofacitinibはMDSCを上昇させ,SKGマウス関節炎を抑制した.
- 日本臨床免疫学会の論文
著者
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森信 暁雄
神戸大学医学部臨床検査医学講座
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三枝 淳
神戸大学医学部 膠原病リウマチ内科
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三枝 淳
神戸大学医学部附属病院 膠原病リウマチ内科
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西村 啓佑
神戸大学医学部附属病院 膠原病リウマチ内科
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松木 郁親
神戸大学医学部附属病院 膠原病リウマチ内科
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田中 姿乃
神戸大学医学部附属病院 膠原病リウマチ内科
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明石 健吾
神戸大学医学部附属病院 膠原病リウマチ内科
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松木 郁親
神戸大学医学部 膠原病リウマチ内科
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西村 啓佑
神戸大学医学部 膠原病リウマチ内科
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森信 暁雄
神戸大学医学部 膠原病リウマチ内科
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森信 暁雄
神戸大学医学部附属病院 膠原病リウマチ内科
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