P1-01 CD45RA-Foxp3high制御性T細胞は,RA患者末梢血中のCD27+CD28+セントラルメモリーT細胞分画で減少している
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概要
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【目的】ヒトCD4陽性T細胞はナイーブ,セントラルメモリー(TCM),エフェクターメモリー(TEM)T細胞に分類できる.我々は,関節リウマチ(RA)の病態において中心的役割を果たしているT細胞集団を同定することを目的として,末梢血CD4陽性T細胞をさらに細かく分類し,各分画の機能的特徴及びRAにおける増減について検討した.【方法】RA患者及び健常人の末梢血CD4陽性T細胞をCD45RA,CCR7,CD27,CD28の4つのマーカーによって分類し,各分画のサイトカイン産生やFoxp3,RANKLの発現をフローサイトメトリーにて解析した.制御性T(Treg)細胞は,CD45RAおよびFoxp3の発現レベルによってさらに3つの亜集団に分類した.【結果】CD45RA,CCR7,CD27,CD28の発現により,末梢血CD4陽性T細胞を6分画に分類した.RA患者末梢血では,CD27+CD28+ TCM分画が有意に減少していた.さらに,同分画のFoxp3陽性Treg細胞及びCD45RA-Foxp3high activated/effector Treg細胞がRA群で有意に減少していた.一方,各分画のサイトカイン産生をみると,RA群のCD27+CD28+ TEM分画におけるTNF-α産生細胞が有意に増加していた.【結論】新しいマーカーを用いてCD4陽性T細胞を細かく分類することにより,RA患者末梢血では,総細胞数とTreg細胞数が減少している分画及びTNF-α産生細胞の割合が増加している分画がそれぞれ存在することを見出した.これらのアンバランスがRAの病態に関与していることが示唆された.
- 日本臨床免疫学会の論文
著者
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森信 暁雄
神戸大学医学部臨床検査医学講座
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三枝 淳
神戸大学医学部 膠原病リウマチ内科
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松木 郁親
神戸大学医学部 膠原病リウマチ内科
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西村 啓佑
神戸大学医学部 膠原病リウマチ内科
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熊谷 俊一
神鋼病院 膠原病リウマチセンター
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森信 暁雄
神戸大学医学部 膠原病リウマチ内科
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