合同シンポジウム3-2 腸内細菌によるT細胞への影響
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概要
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腸内細菌と常に接する消化管粘膜は,非常にユニークな免疫システムを形成している.中でも,Th17細胞やTreg細胞が,消化管粘膜に多数存在することが知られている.我々は無菌マウスを検討することで,Th17細胞・Treg細胞それぞれの分化・機能に腸内細菌が深く影響を与えていることを見出した.さらに腸内細菌をスクリーニングし,Th17細胞分化を誘導するマウス腸内細菌としてセグメント細菌を同定した.さらに,Treg細胞分化を誘導する細菌として,クロストリジアに属するマウス消化果敢に由来する細菌種を,同定した.更にヒト便からスタートして幾つかの選択過程を経て,Treg細胞を誘導するヒト由来クロストリジアに属する細菌株も単離した.我々の研究結果は,慢性炎症性腸疾患や,多発性硬化症などの自己免疫疾患治療に応用できる可能性があると考えている.
著者
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服部 正平
東京大学大学院・新領域創成科学研究科
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森田 英利
JST CREST
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大島 健志朗
JST CREST
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成島 聖子
理化学研究所 統合生命医科学研究センター(RCAI IMS)消化管恒常性研究チーム
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服部 正平
東京大学大学院新領域創成科学研究科
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須田 亙
東京大学大学院新領域創成科学研究科
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本田 賢也
理化学研究所 統合生命医科学研究センター(RCAI IMS)消化管恒常性研究チーム
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新 幸二
理化学研究所 統合生命医科学研究センター(RCAI IMS)消化管恒常性研究チーム
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田ノ上 大
理化学研究所 統合生命医科学研究センター(RCAI IMS)消化管恒常性研究チーム
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永野 勇治
理化学研究所 統合生命医科学研究センター(RCAI IMS)消化管恒常性研究チーム
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