石炭灰からの六価クロム溶出量予測のための試料調製
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概要
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輸入する石炭の選別を可能にするため,少量の供試炭を用いてその石炭灰からの6価クロム(Cr)溶出量を予測する方法を検討した.はじめに石炭火力発電所の電気集<rb>塵</rb>(じん)機から採取した8種類のフライアッシュ(実缶灰)の溶出試験を行った.実缶灰の6価Cr溶出率は0.25~5.0% の範囲で,炭種により大きく異なっている.そこで6価Cr溶出量が実缶灰と近似する石炭灰を供試炭の燃焼によって調製するため,2種の燃焼炉を用いて3種の石炭を灰化した.一つはバーナー燃焼方式の石炭燃焼試験炉により実缶を模擬して燃焼させた.石炭燃焼試験炉で生成した石炭灰と実缶灰からの6価Cr溶出量はよく一致し,事前に予測できる.他は石炭類の灰化方法を規定するJISの方法と同様に,空気雰囲気の電気炉により,室温から一定温度まで加熱した.電気炉の灰化温度と生成した灰からの6価Cr溶出量を検討したが,6価Cr溶出量は灰化温度と炭種に依存し,実缶灰と6価Cr溶出量が一致する共通の灰化温度を選定し予測することは困難であった.
- 公益社団法人 日本分析化学会の論文
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