がん多項目検診の有効性に関する検討 ―検診受診率からみた効率と効果的施策のあり方―
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概要
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わが国では,老人保健法による保健事業の拡大施策として,あるいは検診の多様化に伴う住民のニーズに応えて,近年がん多項目検診が普及してきている。そこで,平成3年度に宮城県の一つの町で企画された胃がん検診+大腸がん検診+子宮がん検診の組合せ方式で実施された検診について,効率と効果の面で,がん検診として有効性があったかどうかを,1)癌の調整罹患率,2)検診受診率,3)癌発見頻度の三者の関連で検討した。その結果,地域検診(特に車検診)で「がん多項目検診」を同時に行った場合,(1) 各種検診間での配車計画が難しく検診処理効率が悪い。(2) 受診数は増加するものの癌の発見効果が低くなる。という状況であった。したがって,効率的で効果的な「がん多項目検診」を行い救命可能な数多くの癌を発見するためには,各臓器の癌罹患率と検診成績を参考にして,「計画検診」を導入して対象を集約することが検診のより有効性をあげることができると判断した。
- 公益社団法人 日本人間ドック学会の論文
著者
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渋木 諭
宮城県対がん協会がん検診センター
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森元 富造
宮城県対がん協会がん検診センター
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菅原 伸之
宮城県対がん協会
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菊池 一恵
宮城県対がん協会がん検診センター
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庄司 淳子
宮城県対がん協会がん検診センター
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平沢 頼久
宮城県対がん協会がん検診センター
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深尾 彰
宮城県対がん協会がん検診センター
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