胚死滅を経験した尿腟牛における子宮からのEnterococcus faecium分離例
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概要
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尿腟を呈する7歳齢ホルスタイン経産牛において胚移植を実施後,妊娠30日から39日の間で胚死滅を認めた.原因調査のために血液検査,超音波画像診断,子宮灌流液の性状,膀胱内および腟内貯留尿の細菌検査を実施したところ,子宮灌流液および尿中からEnterococcus faeciumが多数分離された.Enterococcus属菌は腟内常在細菌の一つであり,子宮に感染を起こすが一般に内膜の病変形成にかかわらないとされている.子宮は,妊娠期は本来無菌であるが,胚死滅を確認した2日後の子宮から多数分離されたことから,同菌の子宮内における増殖が本症例における胚死滅の一因として考えられた.腟内常在細菌の子宮内感染が胚死滅の一因となりうることが示唆され,それが尿腟に起因したものであると考えたが,追加調査でそれを裏付けることはできなかった.しかし,尿腟牛における不受胎と子宮内細菌調査に関する報告は少なく,今後も継続して調査していく必要があると考えられた.
著者
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遠藤 祥子
NOSAI山形家畜診療研修所
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阿部 省吾
NOSAI Yamagata Livestock medical institute
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矢野 啓
NOSAI Yamagata Central livestock medical center
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前田 まりか
NOSAI Yamagata Central livestock medical center
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薮田 拓生
NOSAI Yamagata Central livestock medical center
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遠藤 祥子
NOSAI Yamagata Livestock medical institute
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