免疫比朧法および免疫比濁法による牛血清中α1-acid glycoproteinの定量

概要

論文の詳細を見る
免疫比朧(NIA)法および免疫比濁(TIA)法によるウシ血清中α1-AGの測定に関する基礎的検討を行った.さらに従来から用いられているSRID法と比較検討した.その結果NIA法およびTIA法によるウシα1-AGの測定可能範囲は各々,12〜2,500μg/ml,20〜2,000μg/mlであった.両測定法とも溶血ヘモグロビン,ビリルビン抱合型(C),ビリルビン遊離型(F),アスコルビン酸,アルブミンなどの妨害物質による影響はみられなかったが,乳び血清ではNIA法で低値を示す傾向が認められた.さらに,希釈直線性についてはNIA法,TIA法ともに1,200μg/mlまで認められた.また両側定法とも変動係数2%未満の良好な同時再現性が得られた.一方,健康なホルスタイン種の子ウシ48頭(生後7〜14日齢)の血清α1-AGをNIA法,TIA法およびSRID法により測定したところ,平均値±標準偏差(μg/ml)は各々437.5±175.0,419.0±154.3および432.8±195.2であり,各測定法間には高い相関が確認された.
社団法人日本畜産学会の論文