深成・火山性環境下の亜鉛鉱石におけるインジウム濃集:華南の都竜と大廠鉱床の場合
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概要
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中国を代表する5,000トンIn級のインジウム鉱床,都龍と大廠の鉱石を分析し,その地球化学的な考察を行った.都龍鉱床の鉱石は,平均1,000 In/Zn比=4.1を持ち,大廠鉱床の鉱石は,2.6-3.1と同程度である.しかし都龍鉱床の鉱石は銀とアンチモンに乏しく,タングステンに富んでいる.大廠鉱床の鉱石は銀とアンチモンに富んでおり,2成分図上で豊羽鉱床の鉱石と類似した領域にプロットされる.これらの性質・母岩・貫入花崗岩類を考慮すると,都龍鉱床はS-タイプチタン鉄鉱系花崗岩の貫入により"深成環境"で,大廠鉱床はより浅い亜火山性環境で生成した可能性が大きく,インジウムの濃集には"深成岩"よりも,より浅成の火山性環境が適しているものと考えられる.
著者
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石原 舜三
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST)
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村上 浩康
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST)
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李 曉峰
Institute of Mineral Resource, Chinese Academy of Geological Sciences
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