浅部応力方位測定のためのレーザー式孔径変化測定装置の開発
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概要
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深度20 m程度までの地殻応力方位を測定するために,レーザー変位計を用いて掘削直後のボーリング孔の孔径変化を連続測定する装置を開発した.本装置を用いた新たな応力場評価法は以下の原理・手法に基づいている.1)異方的な応力がかかった岩盤に孔井を掘削した場合,岩石の持つ粘性の効果によって,掘削直後から孔井は異方的にクリープ変形をする.2)孔井断面の異方的な変形に楕円を近似することにより,楕円の短軸方向から最大水平圧縮応力の方位を決定する.本手法によって応力方位を求める利点の一つは,応力解放法や水圧破砕法などの既存の手法に比べて非常に簡便で安価に測定できることである.クリープ変形中の孔井壁面の半径方向の変位は,孔軸を中心として連続的に回転するレーザー変位計により非接触で測定される.変位の分解能としては,レーザー変位計からの原データを7500回のスタッキングすることによって,約0.7 μmを実現した.実際の掘削直後の孔井で本測定装置の野外作動試験を行った結果,約半日間の測定で10 μm程度孔径が大きくなるというクリープ変形を捉えることができ,孔井断面の相対変化量に楕円を近似することから最大水平圧縮応力方位が決定できることを示した.
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