科学技術の社会的受容性から見た高レベル放射性廃棄物の地層処分研究:(2) 他分野の専門家への説明に選択肢を設けるポイント
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概要
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潜在的な危険性があり, 身近になく高度で巨大な科学技術は, その恐ろしさや未知性から社会的に受容され難いと言われており, 高レベル放射性廃棄物処分地の立地問題はその代表例の1つである. 現在, 日本には1つの処分概念しかないが, 比較検討により理解を深めることができるため選択肢が多い方が良いとの考え方もある. 本研究では原子力バックエンド以外の他分野の専門家等へ説明するために適切な選択肢を設けるポイントを検討した. 最初に本研究では過去の専門家間の議論において高レベル放射性廃棄物地層処分時の安全性について認識や理解を共有できない部分を調査した. その結果, それは他分野の専門家と見解が分かれる可能性が高い処分シナリオ・安全評価結果や当該技術の将来予測などの評価等の部分であることが判った. そのため, 選択肢を設けるのはこの評価等の部分であり, 選択肢の形態は1つの候補サイトの中で費用と安全性が評価された複数の処分概念が良いものと考えられる. また, これらの選択肢を使って学会の会場等で専門とする分野の範囲が整合している原子力バックエンド以外の専門家に繰り返し説明し, 繰り返し討論するのが良いと考えられる.
- 一般社団法人 日本原子力学会 バックエンド部会の論文
著者
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長崎 晋也
Nuclear Professional School, Graduate School of Engineering, The University of Tokyo
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和田 隆太郎
The Department of Nuclear Engineering and Management, Graduate School of Engineering, The University of Tokyo
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田中 知
The Department of Nuclear Engineering and Management, Graduate School of Engineering, The University of Tokyo
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