マイクロ流路法による花崗岩盤原位置での拡散係数・分配係数の同時測定
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概要
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ボーリング孔壁に微小な流路を押し当ててその中にトレーサを通液し, 流路出口のトレーサ濃度変化から実効拡散係数と分配係数を同時に, しかも1週間以内に計測可能な革新的な調査手法であるマイクロ流路法の適用性を確認することを目的に, 花崗岩盤の実ボーリング孔を利用して, 非収着性 (重水, ウラニン) と収着性 (カリウム) のトレーサを用いた拡散試験を実施し, 実効拡散係数と分配係数を原位置にて取得することに成功した. 試験は, 健岩部と微小亀裂部2箇所で行い, 健岩部では室内実験から得られた既存の報告値と同等の実効拡散係数 (重水, ウラニン) と分配係数 (カリウム) が得られることを確認した. また, 開口幅0.5 mm以下の微小な亀裂が存在する部位をピンポイントで計測したところ, 拡散係数が1桁程度過大評価されることが判った. 地層処分の安全評価では, 拡散係数や分配係数等の核種移行に係るパラメータが不可欠であるが, マイクロ流路法ではこれらを原位置で迅速かつ同時に取得できることが示された.
著者
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大江 俊昭
School of Engineering, Tokai University
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天野 健治
Japan Atomic Energy Agency
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金子 岳夫
Tokyo electric power services Co., Ltd
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長崎 晋也
Nuclear Professional School, Graduate School of Engineering, The University of Tokyo
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増田 遊介
Course of Applied Science, Graduate School of Engineering, Tokai University
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吉田 拓真
Hitachi-GE Nuclear Energy, Ltd
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野下 健司
Hitachi, Ltd
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加藤 和之
The Federation of Electric Power Companies of Japan
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二口 克人
DiaConsultants
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