放射線療法が奏功したMerkel細胞癌の3例
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概要
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症例1:90歳,女性。左頬部に10×9cm大の多結節性紅色腫瘤を認め,生検にてMerkel細胞癌と診断。放射線療法で完全寛解し,照射終了12ヵ月後の時点で再発,転移はない。症例2:80歳,男性。左眉毛部内側の皮下結節。近医での切除生検にてMerkel細胞癌と診断され,切除断端が陽性のため,当科で放射線療法を行い,照射終了29ヵ月後の時点で再発,転移はない。症例3:86歳,男性。左前腕の紅色腫瘤。近医の切除生検にてMerkel細胞癌と診断され,切除断端が陽性で局所再発したため,当科で放射線療法を施行。経過中腋窩リンパ節転移が出現したため,リンパ領域も併せて照射。終了12ヵ月後の時点で再発・転移はない。現在Merkel細胞癌の標準治療は手術+放射線療法である。本腫瘍は放射線感受性が高く,自験例のごとく放射線単独療法でも高い局所制御効果があるため,高齢で手術が困難な症例では積極的に用いてもよい治療と考えた。
著者
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大塚 藤男
筑波大学医学医療系
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中村 貴之
筑波大学医学医療系皮膚科
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中村 泰大
筑波大学医学医療系皮膚科
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藤澤 康弘
筑波大学医学医療系皮膚科
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川内 康弘
筑波大学医学医療系皮膚科
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齊藤 明允
筑波大学医学医療系皮膚科
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小原 佐恵子
筑波大学医学医療系皮膚科
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小林 桂子
水戸赤十字病院皮膚科
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大塚 藤男
筑波大学医学医療系皮膚科
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