皮膚がん(悪性腫瘍)とその前がん症
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概要
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皮膚がん(皮膚悪性腫傷)は,皮膚の構成成分あるいは皮膚に存在する組織,細胞などから生じ,極めて多彩で,その分類の考え方をICD10分類を含めて紹介する。さらに頻度と臨床的重要度の面から上皮系の有棘細胞がん,基底細胞がん,乳房外パジェット病,色素細胞系の悪性黒色腫を中心にその頻度や腫傷の病態と動態,診断と治療のポイントを解説する。基底細胞がんは頻度が高いが,転移はまれで局所悪性の性格が強い。一方悪性黒色腫は近年増えつつあるが,早期から転移を起こす点で悪性度の高い腫傷である。有棘細胞がんは局所破壊力が強く,転移しやすい点で依然として皮膚がんに重要な位置を占めている。乳房外パジェット病も増えつつあり,外陰部に好発する点から診断が遅れがちで注意を要する。他に皮膚の悪性リンパ腫,隆起性皮膚線維肉腫,血管肉腫など特徴ある悪性腫傷もある。前がん病変,前がん症も数多いが,その考え方とともに有棘細胞がんに進展する可能性があり,紫外線暴露が誘因である日光角化症を中心に概説する。
- 2012-12-28
著者
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