無症状の糖尿病患者における冠動脈疾患スクリーニング検査
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概要
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糖尿病患者においては冠動脈疾患の合併率が高く, 無症候性である場合も少なくない. しかし, 無症状の糖尿病患者における冠動脈疾患の有病率はいまだ明らかではない. そこでわれわれは無症状の糖尿病患者に対し冠動脈疾患スクリーニング検査を行い, その有病率について検証した.<BR>方法: 2002年7月~2006年6月までの間に当院循環器外来を受診した無症状の糖尿病患者311例に対し, 冠動脈疾患スクリーニング検査として胸部X線写真, 心電図, 心エコー検査, 運動負荷心電図検査を施行した. 運動負荷心電図検査陽性患者に対しては, 負荷心筋シンチグラフィまたは冠動脈造影を勧めた. 負荷心筋シンチグラフィ陽性患者には冠動脈造影を勧めた.<BR>結果: 運動負荷心電図検査陽性患者は85例(27%) であった. このうち32例(10%) に冠動脈造影を施行したところ, 15例(4.8%) に有意狭窄病変を認めた. 11例(3.5%) に血行再建術が必要であり, 6例に経皮的冠動脈形成術を5例に冠動脈バイパス術を施行した.<BR>結語: 無症状の糖尿病患者における冠動脈疾患の有病率は4.8%と高率であり多枝病変が多い. よって, 糖尿病患者においては無症状であっても冠動脈疾患スクリーニング検査が有用である.
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