マントル細胞リンパ腫における十二指腸病変の内視鏡像の検討
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概要
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【背景・目的】マントル細胞リンパ腫はしばしば消化管に浸潤し,多発性のポリープ状隆起を形成するが,十二指腸病変の肉眼型について詳細に検討した報告はない.今回われわれはマントル細胞リンパ腫における十二指腸病変について検討した.<BR>【方法】十二指腸浸潤を伴うマントル細胞リンパ腫の11例を対象とし,臨床背景および内視鏡像について検討した.<BR>【結果】十二指腸病変はいずれも隆起性病変を呈し,うち6例ではmultiple lymphomatous polyposisを形成していた.また隆起性病変の形態を細分すると,小ポリープ集簇3例,疣状3例,疣状病変と小ポリープ集簇病変の両者の混在2例,粘膜下腫瘍様3例であり,小ポリープ集簇病変ではいずれもびらんを認めなかったが,粘膜下腫瘍様隆起病変および疣状病変は1例を除く全症例でびらんを伴っていた.<BR>【結論】上記の病変を十二指腸に認めた場合には,マントル細胞リンパ腫の可能性を念頭に置き,生検診断を行うべきであると考えられた.
著者
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吉野 正
岡山大学病理
-
山本 和秀
岡山大学病院
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岡田 裕之
岡山大学病院
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那須 淳一郎
岡山大学病院 消化器内科
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川野 誠司
岡山大学病院 光学医療診療部
-
高田 尚良
岡山大学病院 病理診断科
-
岩室 雅也
岡山大学病院 消化器内科
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守都 敏晃
香川労災病院 病理科
-
河原 祥朗
岡山大学病院 光学医療診療部
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