切除不能肝門部胆道狭窄における金属ステント留置術 ―片葉vs.両葉―
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概要
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【目的】肝門部胆道狭窄に対して,片葉ドレナージか両葉ドレナージのいずれを選択すべきか統一的な見解はない.そこで,片葉と両葉のどちらが優れているか検討を行った.<BR>【方法】肝門部狭窄に金属ステント留置を行った82人を,片葉留置群と両葉留置群に分けて後ろ向きに検討した.<BR>【結果】生存期間,ステント開存期間,合併症なく生存した無合併症生存期間は両群で差はなかった.最も高頻度な合併症は閉塞で,次は胆管炎であった.肝膿瘍は片葉留置群(1.5%)に比べ両葉留置群(17.6%)で有意に多く認めた(<I>P</I>=0.0266).2回以上の繰り返す合併症(<I>P</I>=0.247),致死的な合併症(<I>P</I>=0.0577),ステント閉塞(<I>P</I>=0.0912)では,両群に差を認めなかった.<BR>【結論】片葉留置群のステント開存期間,無合併症生存期間は両葉留置群と同等であり,肝膿瘍は有意に低率であった.肝門部胆道狭窄には,まず片葉ドレナージを行い,両葉ドレナージは対側の胆管炎を生じた場合に追加で行うのが良い.
著者
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坂井 田功
山口大学大学院 医学系研究科消化器病態内科学
-
仙譽 学
山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科学分野(内科学第一)
-
田場 久美子
山口大学大学院 医学系研究科消化器病態内科学
-
岩野 博俊
山口大学大学院 医学系研究科消化器病態内科学
-
吉田 加奈子
山口大学大学院 医学系研究科消化器病態内科学
-
石垣 賀子
山口大学大学院 医学系研究科消化器病態内科学
-
良沢 昭銘
山口大学大学院 医学系研究科消化器病態内科学
-
仙譽 学
山口大学大学院 医学系研究科消化器病態内科学
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