頸部郭清における頸神経温存の腫瘍学的安全性
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概要
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頸神経の温存は,頭頸部癌に対する頸部郭清の低侵襲化における新たな試みであり,その機能的意義は証明されている。しかし,その腫瘍学的安全性についての検討は行われていなかった。2009年4月より2011年6月までに,われわれの行った156側の頸部郭清のうち頸神経を温存できたのは74側であった。郭清床再発をきたした例は存在せず,症例を選択すれば,頸部郭清における頸神経温存が腫瘍学的に安全であることが示された。潜在的転移リンパ節に被膜外浸潤を認めることは極めてまれであり,頸神経温存操作時の腫瘍播種の危険性は小さい。病期によらず,予防的郭清は頸神経温存手術の適応と考えられた。
著者
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本多 啓吾
独立行政法人国立病院機構京都医療センター頭頸部外科
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安里 亮
独立行政法人国立病院機構京都医療センター頭頸部外科
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辻 純
独立行政法人国立病院機構京都医療センター耳鼻咽喉科
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神田 智子
独立行政法人国立病院機構京都医療センター頭頸部外科
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渡邉 佳紀
独立行政法人国立病院機構京都医療センター耳鼻咽喉科
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森 祐輔
独立行政法人国立病院機構京都医療センター耳鼻咽喉科
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辻村 隆司
独立行政法人国立病院機構京都医療センター耳鼻咽喉科
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森 祐輔
独立行政法人国立病院機構京都医療センター頭頸部外科
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