難聴・めまいのバイオマーカーCTPの新展開
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概要
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内耳リンパ腔と周囲臓器のあいだに瘻孔が生じ、生理機能が障害される疾患が外リンパ瘻である。これまでは外リンパ瘻の診断は外リンパ漏出の有無を視覚的に判断していたが、これは主観的であると批判されてきた。そこで新たな診断マーカーを求めて内耳蛋白のプロテオーム解析を行った結果、遺伝性難聴の原因遺伝子COCHの蛋白産物のアイソフォームCTP (cochlin-tomoprotein) を見いだした。外リンパ瘻研究班の活動によりCTPが外リンパ瘻診断マーカーとして理想的な性質を兼ね備えていることが判明した。<BR>本邦には1983年 (昭和58年) に世界に先駆け発表された外リンパ瘻診断基準があるが、現在この改定作業を進めており、分類にも検討を加えた。開始当初はウェスタンブロット法を採用してきたが、より客観的な判定が可能となるエライザ法も開発できた。実際の診療に役立つ情報を含め本検査法の新展開について解説する。
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