とうもろこし含有飼料および飼料原料におけるトリコテセン7種類の汚染実態調査
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概要
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配合飼料の主要原料であるとうもろこしはデオキシニバレノール(DON)による汚染が報告されており,その他のトリコテセン類の複合汚染も危惧される.一方,とうもろこしの安価な代替品として利用されるとうもろこし蒸留かす(DDGS)などのとうもろこし加工副産物は,近年輸入量が大幅に増加しているが,これらのトリコテセン類の汚染実態は十分に明らかにされていない.そこで,本研究では,DDGS,コーングルテンミール,コーングルテンフィードおよびとうもろこし加工副産物を配合した飼料を収集し,DONおよび6種のトリコテセン類〔3-アセチルデオキシニバレノール(3AcDON),15-アセチルデオキシニバレノール(15AcDON),T-2トキシン,HT-2トキシン,ニバレノールおよびフザレノン-X〕について測定を行った.その結果,これらのサンプルにおける主要汚染物質はDON,3AcDONおよび15AcDONであった.DDGSおよびコーングルテンフィードではほとんどのサンプルからDON,3AcDONおよび15AcDONが検出された.また,配合飼料では30サンプルすべてでDONが検出され,15AcDONも1つを除いてすべて検出された.しかしながら,3AcDONは1つのサンプルから検出されたのみであった.一方,コーングルテンミールは他のサンプルと比較して汚染が低レベルで,36サンプル中24サンプルでDONが,20サンプルで15AcDONが検出され,3AcDONは検出されなかった.
著者
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木船 信行
日本食品分析センター
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木船 信行
日本食品分析セ
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渡井 正俊
日本食品分析セ
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木村 彩子
日本食品分析センター
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小木曾 基樹
日本食品分析センター
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伊藤 志保美
日本食品分析センター
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齋藤 真希
日本食品分析センター
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佐々木 彩子
日本食品分析センター
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