小型哺乳類の分布と生息状況の再評価の必要性―岡山県における現状―
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
岡山県全域を対象とした小型哺乳類の捕獲調査を2010年10月~2011年12月にかけて実施した.齧歯目6種,トガリネズミ型目2種の計130個体が捕獲された.小型哺乳類の8種すべてで生息密度が非常に低かった.アカネズミApodemus speciosusの捕獲数が最も多く,捕獲場所も県内全域の様々な環境に及んだ.これに対してアカネズミ以外の種では,植生や標高などの生息環境に選択性が見られた.アカネズミの生息密度に最も大きな影響を与えたのはハビタットタイプではなく,年2回の繁殖による個体数の増加であった.岡山県では何らかの理由で小型哺乳類の生息密度が非常に低くなっていると思われるが,特にこれまで普通種と思われていたヒメネズミA. argenteusとハタネズミMicrotus montebelliの生息数の減少が懸念された.他県においても普通種を含めた小型哺乳類の生息密度の再評価が必要な時期に来ていると思われる.
著者
関連論文
- ミヤマカラスアゲハの本州西南低地での連続発生:2006年夏秋,岡山理科大学付近で
- 日本紅斑熱の1例:岡山県初発例
- 胃腸炎ウイルスの研究--岡山県における血清型G9型A群ロタウイルスの流行状況について
- ノロウイルス検査における抽出コントロールとしてのエコーウイルス9型Hill株のReal-time RT-PCR法による検出
- 日本紅斑熱の1例 : 岡山県初発例
- 頭蓋計測値に基づく個体群関係の分析法について : ―クロクビタマリンの地域個体群を題材にして―
- 全国食品衛生監視員研修会優秀演題 「食の安全・安心の確保および食育の推進」を目的とした啓発媒体の作成および効果的な情報発信について
- 標本とその二次資料, 合わせて見るとおもしろい
- 岡山県における2009~2010年シーズンのインフルエンザ流行について
- 胃腸炎ウイルスの疫学的研究 Real-time RT-PCR法によるヒトC群ロタウイルス検査法の開発
- 頭蓋計測値に基づく個体群関係の分析法について : クロクビタマリンの地域個体群を題材にして
- ヌートリアの過去, 現在, そして未来
- 2011年県内における手足口病の大規模流行
- 県内におけるインフルエンザ流行の疫学的解析(2010~2011年シーズン)
- 感染症流行予測調査(平成23年度ポリオ感染源調査)
- 胃腸炎ウイルスの疫学的研究 : 下水を用いたヒトC群ロタウイルスサーベイランスの有効性
- 小型哺乳類の分布と生息状況の再評価の必要性―岡山県における現状―
- ヌートリアの過去,現在,そして未来2
- ロタウイルス胃腸炎の集団発生について
- 小型哺乳類の分布と生息状況の再評価の必要性 : 岡山県における現状
- ヌートリアの過去, 現在, そして未来2