Occipital sinusのみにshunt pointを認めたdAVFの1例:解剖学的考察および治療戦略について
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概要
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【目的】我々は,occipital sinus(OS)のみにshunt pointを持つ硬膜動静脈瘻(dural arteriovenous fistula:dAVF)を経験したので,OSに関する解剖学的な考察および治療戦略を交えて報告する.【症例】51歳女性.1年前から続く拍動性の耳鳴りがあり,その精査のために施行された頭部MRAにて両側のtransverse sinus(TS)に異常高信号が指摘された.脳血管撮影で両側の後頭動脈(occipital artery),両側の中硬膜動脈(middle meningeal artery)からOSのみに流入するdAVFを認めた.動静脈瘻は両側のTSへ流出しており,cortical venous refluxは認めなかった.本症例では,TSからfistulous pouchにカテーテルが誘導可能と考えられ,経静脈的塞栓術(TVE)を第一選択と考えた.マイクロカテーテルをTSからOSのfistulous pouchまで誘導し,そこに計6本のdetachable coilを留置した.dAVFの完全閉塞が得られ,治療直後より耳鳴は消失し,他覚的なbruitも消失した.【結論】OSのみにshunt pointを有するdAVFは非常に稀である.shunt pointの位置を正確に把握し,周囲の静脈や静脈洞との解剖学的関係およびOSの血行動態をよく理解することが本部位のdAVFの治療においては重要と考えられた.
著者
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酒井 秀樹
独立行政法人 国立病院機構 豊橋医療センター 脳神経外科
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西村 康明
独立行政法人 国立病院機構 豊橋医療センター 脳神経外科
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加藤 貴之
独立行政法人国立病院機構豊橋医療センター脳神経外科
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酒井 秀樹
独立行政法人国立病院機構豊橋医療センター 脳神経外科
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高木 俊範
独立行政法人国立病院機構豊橋医療センター 脳神経外科
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加藤 貴之
独立行政法人国立病院機構豊橋医療センター 脳神経外科
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西村 康明
独立行政法人国立病院機構豊橋医療センター 脳神経外科
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