FilterWire EZ を用いたステント留置術中にno flowを来した1例:症例報告
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概要
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【目的】FilterWire EZ(FWEZ)を用いた頚動脈ステント留置術(carotid artery stenting;CAS)中にno flowとなり,脳梗塞を来した1例を報告する.【症例】78歳,男性.右大脳半球に陳旧性脳梗塞を伴う進行性右内頚動脈狭窄に対してCASを施行した後,無症候性ながら進行する左内頚動脈狭窄に対してCASを追加した.FWEZを用いたdistal protectionを行い,ステント留置後に後拡張を行ったところno flowを来した.直後より,意識レベルの低下,失語,右片麻痺を呈し,術後のMRIでは左大脳半球に散在する脳梗塞を認めた.【結論】FWEZは効果的な遠位塞栓予防デバイスであり,従来のフィルタータイプのデバイスより優れていることが報告されているが,本デバイスを用いた場合にも本例のようにno flowを来し,症候性脳梗塞が起こり得ることを認識する必要がある.
著者
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糸川 博
横浜新都市脳神経外科病院 手術室
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糸川 博
昭和大学藤が丘病院・脳神経外科
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森谷 匡雄
葛西昌医会病院 脳神経外科
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糸川 博
葛西昌医会病院 脳神経外科
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藤本 道生
葛西昌医会病院 脳神経外科
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菊地 奈穂子
葛西昌医会病院 脳神経外科
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富田 禎之
葛西昌医会病院 脳神経外科
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柴田 憲男
葛西昌医会病院 脳神経外科
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阿波根 朝光
葛西昌医会病院 脳神経外科
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