内頚動脈のcervical segmental agenesis
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
【目的】稀な血管奇形として,内頚動脈が欠損することが知られているが,内頚動脈分岐直後のcervical portionのみの欠損の報告は少ない.内頚動脈のcervical portionのみの欠損を認め,外頚動脈が各分枝を分岐後,内頚動脈に頭蓋外で移行する症例を経験したので発生学的考察を加え報告する.【症例】39歳男性.咽頭部の腫瘍性病変に対する精査治療目的にて入院となった.神経学的異常は認めず,特記すべき既往症もなかった.脳血管撮影にて,左総頚動脈が,第4頚椎レベルで内頚動脈の分岐を示唆するstumpを形成するが内頚動脈は分枝せず,そのままの血管径を保ったまま外頚動脈に移行していた.外頚動脈は正常の分枝を示し,後頭動脈の分岐近傍より後外側,尾側方向に走行し,第3頚椎レベルで,そのまま内頚動脈に移行していた.遠位部の内頚動脈に異常を認めなかった.【結論】内頚動脈のcervical segmentの近位部の部分欠損を来たし,外頚動脈を介して遠位部の正常内頚動脈に移行した症例と考えられた.
著者
関連論文
- Coil embolization と basilar artery occlusion の併用にて治療したクリッピング術後12年で症状が出現した再発血栓性脳底動脈先端部動脈瘤の1例
- 荒木千里記念脳外科症例検討研究会記録(262)側頭骨内髄膜腫の一例
- 荒木千里記念脳外科症例検討研究会記録(251)硝子体出血にて発症した内頸動脈狭窄症の一例
- 小型プローブを用いた頚動脈血栓内膜剥離術における術中頚動脈エコーグラムの有用性の検討
- rt-PA(アルテプラーゼ)静注による血栓溶解療法後の出血性梗塞に対して15時間後に外減圧術を施行した1例
- 巨大頚部仮性動脈瘤に対するcovered stent治療:2例報告
- 内頚動脈のcervical segmental agenesis