透析室の看護ケアにおける血液汚染リスク
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概要
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本研究の目的は,血液透析に伴う看護ケア時の血液汚染のリスクを明らかにすることである.2006年6月から2007年2月までの期間に中部地区の5施設の透析センターにおいて看護師によるケア行為の観察と使用した手袋や環境から血液の検出を行った.17名の看護師による透析開始時の穿刺場面と透析終了時の抜針場面,止血場面における感染防護具の使用状況,ケア行動,手指衛生状況等について観察した.使用後の手袋を回収し,ルミノール反応により血液の付着の有無を調べた.更に,使用後の手袋で触れた物品や環境に付着した血液の有無をロイコマラカイトグリーン試薬により調べた. 使用後の手袋137双274枚中61枚,22.7%(穿刺26枚,抜針31枚,止血4枚)から血液が検出された.さらに,血液が検出された使用後の手袋で触れた環境(5箇所)から血液が検出された.抜針場面においては,2人の看護師でケアを行う場合に比べて1人で行う場合の方が使用後の手袋で環境に触れた回数が有意に多かった(p<0.001). 使用した手袋で環境に触れることは,環境を汚染させる可能性があること,2人の看護師が抜針を行うことは環境汚染のリスクを低減させることが考えられた.
著者
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