パロキセチン無効の掻痒に対しミルタザピンが著効した1例
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概要
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【緒言】黄疸に合併する掻痒は, 抗ヒスタミン剤無効例が多く, 緩和に難渋する例がある. 近年, 掻痒に対するパロキセチンの効果が報告されているが, パロキセチン無効例への報告はまれである. 今回, パロキセチン無効の掻痒に対してミルタザピンが著効した1例を経験したので報告する. 【症例】56歳, 女性, 膵頭部がん・腹膜播種. 閉塞性黄疸に対してドレナージ術など行うも黄疸が遷延し, NRS (numerical rating scale) 9~10程度の, 抗ヒスタミン剤無効の全身掻痒が続いていた. 当院受診後, パロキセチンへ変更したが, 2週後にも掻痒は改善せず, 黄疸も遷延していた. しかし, ミルタザピンへ変更したところ, 翌日に掻痒はNRS 1となり, その後も掻痒の再燃は認められなかった. 【結語】パロキセチン無効の掻痒に対し, ミルタザピンは選択肢の1つとして重要である.
著者
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山中 康弘
栃木県立がんセンター 腫瘍内科
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西 智弘
川崎市立井田病院 かわさき総合ケアセンター
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割田 悦子
栃木県立がんセンター 腫瘍内科
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上元 洵子
岡山済生会総合病院 緩和ケア科
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小野寺 馨
栃木県立がんセンター 腫瘍内科
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