新生時コーチゾル処置ラットにおける副腎と胸腺の退行について
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概要
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出生後18時間以内の新生ラットにcortisol 1.0, 0.75, 0.5mgを1回皮下注射し, 死亡率, 成長速度, 胸腺・脾および副腎重量, 血中リンパ球数の変化, ストレス反応を調べるとともに, 数種corticoidsについて効果を比較した.<BR>1) Cortisol 1mgの投与で大部分が死亡し, 生存率は13%にすぎなかった.0.75mgの投与でも生存率は47%であった.しかし, 0.5mg投与群ではほとんど死ぬものがなかった。大量投与ラットは荒廃症候群をおこし, その死亡はすべて5~13日の間にみられた.<BR>2) 1mgおよび0.75mg投与群では最初の1週間にはほとんど体重の増加がなかった.生き残ったラットは10日以後において対照ラットにほぼ平行して体重が増加したが, 3週間後の体重は1mg投与群で対照ラットの62%であった.<BR>3) 胸腺に顕著な退行があり, それにともなって血中リンパ球数もいちじるしく少なかった.脾の発達も初期に抑制をみたが, その回復は早かった.<BR>4) 副腎の退行も著明で, 1mg投与群では3週間後においてようやく出生時の重量に回復し, その値は対照ラットの値の22%にすぎなかった.<BR>5) 0.5mg投与群のエーテルストレスに対する血漿corticosterone上昇反応は, 3週間後において対照ラットの反応と同程度であったが, 異環境曝露に対する反応は有意に低かった.0.75および1mg投与群では3週間後においても異環境曝露刺激に反応を示さなかった.<BR>6) 各種corticoidsは一様に胸腺, 脾および副腎に対して抑制的な効果をもつが, dexamethasoneとbeta-methasoneはとくに胸腺と脾に強い退行をおこし, cortisolはDOCAとともに副腎corticosterone含量の減少を強くおこした.Corticosteroneの作用はcortisolより弱かった.
- 日本内分泌学会の論文
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